//映画レビュー ぼくらの7日間戦争見てきました。原作読んでると色々と物足りなかった

映画
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 MaEmです、映画【ぼくらの7日間戦争】見てきました。原作は宗田理氏の代表作、ぼくらの七日間戦争です。今回のやつはリメイクで七じゃなくてアラビア数字の7になってるんですね。

 原作は実は中学生の頃に読んだことがあるんですが、あれを現代風にリメイクするってなるとどんなもんになるのかな?と期待半分不安半分で見に行ってきたのですが……

注意点!

 まあレビューなんで当たり前と言えば当たり前ですが、この記事は激しくネタバレを含みます。その上、この作品を皆さんが視聴したことを前提に書いていますので見てないと何書いてるのかサッパリわからない可能性があります。それでもいいという方は、下のほうを反転して見てください。

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現代的な視点に合わせた再構築は中々に面白かった

 ぼくらの七日間戦争の原作小説は1985年に発売されていて、主人公たちの親が全共闘世代でゲバ棒持って権力に反抗していた、という設定になっています。当然この世代の中学生なんてスマホどころかガラケーもない、ポケベルが流行り始めたかなくらいの時代の話です。そんな中で「ぼくら」の中のひとりが、趣味のエレクトロニクスを生かしてFM放送を行い、大人たちに反抗のメッセージを送信するっていうのが話の大筋の一つになっています。

 一方、今回のリメイク版。現代日本の設定になっているので、主人公たちは当然のように一人一台スマホ持っていますし、TwitterはじめとしたSNSなんかも普通に使いこなします。この違いは結構でかい。

 MaEmが好きな漫画に、武装錬金というのがあります。知らない人は、るろうに剣心の作者の人だと言ったほうがわかりやすいかな?この作品の単行本で「前々作で明治時代の話書いて、今回現代設定だから携帯を演出上どう使うか悩んだ」っていうようなことを言っていたりします。この通信の速度というのは中々に作劇上のポイントだと個人的には思っていて、小説書く上ではまず最初に決めておくポイントは何にする?って言われた場合にはまず真っ先にMaEmはこれを設定したほうが良い、と思っています。

 情報の拡散が(良くも悪くも)気軽に行えるというのが今作のポイントで、自分たちの廃工場立てこもりの実況配信をTwitterでバズらせたり、あるいは自分たちの裏垢とか卒業アルバムが漏れて炎上したりだとか(いわゆるデジタルタトゥー、詳しくはウィキペディアでも読んでくれ)、現代の若者の情報戦ってふうに考えると中々に面白い着眼点だったんじゃないかと思います。

 一方、無名な高校生がバズを狙って起こせたりとか、そういうのは流石にリアリティ無いなっていうのが正直なところだったり。ネットの強みと怖さを描写したかったのかもしれないけど、流石に誇張しすぎじゃねえかなと思うような描写だったという感想です。

暴れるならもっとハデにやってほしい

 原作では中学生たちが大人たちに対抗するべく、立てこもった廃工場に多種多様なトラップを仕掛けて対抗していくというのが見どころのひとつなわけなんですが、今作は割とそういうのは控えめでした。

 まああるにはあるんだけど、それはどちらかと言えば前半だけで、主に主人公たちの内面・心理的描写にスポットを当てた感じの構成になっています。なので、そういうドタバタ系を期待して見ると肩透かしなんじゃないでしょうかね。

 ……まあ原作通りに立てこもった廃工場を解放区って呼んだり全共闘がどうのとかって言って高校生がゲバ棒と火炎瓶で武装したりしたらそれはそれでだいぶ問題だけどね。制作スタッフが考案にしょっぴかれてしまう。

撃たない銃は画面に置くなという作劇上の話

 これが今作でMaEmが一番気に食わなかったところ

 皆さん「チェーホフの銃」って言葉聞いたことあるでしょうか?

誰も発砲することを考えもしないのであれば、
弾を装填したライフルを舞台上に置いてはいけない。

もし第1章で、壁にライフルが掛けてあると述べたなら、
第2章か第3章で、それは必ず発砲されなければならない。
もし、それが発砲されることがないなら、そのライフルはそこに掛けられるべきではない。

 っていう、作劇上のルール・マナーの一つです。要するに、物語の筋に絡まない要素・小道具は劇中に出してはいけない。出した要素は必ず回収すること。という話です。

 そして、正直荒れそうな話題ではあるんだけども今回のライフルに当たる部分が、いわゆるLGBT要素。これをラスト30分ぐらいの地点で突然脈絡なくぶっ込んできた。正直、これ出てきた時点で途中で帰りそうになりましたよ。

 別にMaEmは差別主義者ってわけじゃないし、同性異性関わらず恋愛なんて自由なもんだとは思いますよ。現にMaEmのリアルの知り合いでも何人か知ってますし。

 ただ、今作の場合には脈絡・伏線になるようなものが殆どなかったっていのが問題で。視聴者側としてはこの要素に物凄く感情移入しづらいし、「昨今の世間の事情を見て日和った作劇をした」ようにしか見えないんですよね。

 原作がかなり尖ったストーリーなんだから、そこで丸くなっては欲しくなかった。というのが今作最大の問題点だと思います。なんか君の名は以降この手の量産型作品増えたよね……正直面白くないんじゃ

そもそもの企画が無茶だよな

 男子中学生がクラス全員集まってワイワイやるっていう話なんだから、登場人物一人一人の内面描写を細かくやった上で二時間アニメ映画にしようってのがそもそも無茶なんですよ。だから結局どちらに行っても中途半端な作品にしかなっていない。

 要するに

ぼくらの七日間戦争 (角川文庫) [ 宗田 理 ]価格:704円
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感想(7件)

原作読んでくれ

以上!

MaEm

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