//運転中に平衡感覚を失った話

自動車
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 MaEmです、先日実家に帰省したんですけれどもその道中にちょっと怖い目にあったので共有したいと思います。

 不要不急の外出してるんじゃねえって?しゃーないやん車検切れそうだったんだからさ。

開けているからこそ危ない

  まずは状況から説明していきたいと思います。

・時間帯は夜、金曜の仕事が終わった後に支度して出発したので20時ぐらい
・天気は雨、それもちょっとポツポツ降ってるとかではなくかなり視界の悪い土砂降り
・道は視界の良い片側2車線、ただし街灯が極端に少ない
・大型トラックがよく通るからか、アスファルトに凹凸が多い
・このご時世だからか交通量は極端に少ない

 と、まあこういう状況で運転していました。普段なら街灯こそ無いものの、視界が開けていて結構走りやすい道ではあります。ですが、今回は流石にちょっと状況が最悪でしたね。

 雨天でなおかつ路面が荒れているとなると、特に怖いのはハイドロプレーニング現象です。教習所の学科の時間に皆さんが寝てなければいっぺんくらい聞いたことがあるはずですけど、高速で水たまりに侵入するとタイヤが浮いてしまってコントロールを失うっていう現象です。詳しくはウィキペディアでも見てくれ。

 一応、タイヤの空気圧が甘いとタイヤの排水が追いつかなくて発生しやすくなるということと、左輪が水たまりに入ると左に引っ張られ、右輪なら右に引っ張られる、両方だとそのまま滑っていくのでうかつに操作せず復帰するのを待つということだけ覚えておきましょう。慌ててブレーキ踏んだりハンドル切ったりするとかえって危険です。

 そんなことを意識しつつ運転していたら、ふとあることに気が付きました。

あれ、俺今どこ走っていた?

知っていたから対処できたけど……

 一瞬反応が遅れてしまいましたが、そこですぐに何が起きたのか気がつけたので対処もすぐできました。

「あっ、これバーティゴ起こしたな!?」

 バーティゴ、初めて聞いた人もいるかも知れませんね。日本語にすると「空間識失調」とも言ったりします。主に航空機のパイロットが起こしたりする可能性がある症状で、自機が直進しているのか停止しているのか、上昇しているのか下降しているのかなどが判断つかなくなることを指します。

 「いや自分が今上向いているか下向いているかぐらいは流石に分かるだろw」って思うかもしれませんが、これが空中だと案外ありえない話でもないらしくて。例えば高高度を飛行していれば(見かけ上の)対地速度が遅くなって飛行速度を見誤ったり、そもそも雲が厚くて比較対象がなかったりとか。その上で一定速度で進んでいれば(加速を体感できなければ)意外とあっさりなってしまうとか。

 更にこれが旅客機とかではなく戦闘機で、戦闘機動で背面になったりしたらどうなるでしょうか?背面状態で重力加速の2倍で下降したと考えましょう。背面状態なので頭側に重力で引っ張られ、それ以上に足側に下降によるGがかかったらどうなるか?パイロットの体感的には通常の飛行と全く変わらないという状況になってしまいます。

 まあ普通は地面が近づいていってるわけですからすぐに気がつくんでしょうけど、じゃあこれが悪天候だったり、晴れていても海上だったりしたら?悪天候で目視での比較対象がなかったり、上は空の青、下は海の青だったりしたらってこともまああるでしょう。

 さて、それを踏まえて今回の状況を改めて見直してみますと。天気に関しては間違いなく悪天候で、街灯も付いていないので周辺の状況が変わらない。周囲に他の車も走っていない。なまじ走りやすい道だから加減速もしないんで身体に加速感も感じない。とまあ、見事に悪条件が重なった状態で走っていたということです。

 ふっと気がついたと書きましたが、これはたまたま反対車線に対向車が来たから気がついたってだけでして。あとになって冷静に考えるとそのまま車道に乗り上げたりガードレールに突っ込んでいたりしてもおかしくなかったってわけですよ。

知っていればパニックにならない、頭の片隅にでも入れておいてください。

 まあ流石にここまで悪条件が重なるってこともめったに無いとは思いますし、雨で視界が悪くて運転に自信がないっていうなら、そもそも雨が止むまで待ったりすりゃあ良いんでしょうけどもね。このご時世だとみんな外出自粛で道が空いている状況、っていうのは少なくないんじゃないかと思います。

 冒頭のハイドロプレーニング現象しかり、今回のバーティゴしかり、あるいはブレーキ踏んだらABS作動してペダルがガタガタ言い出したり。車の運転というのはときに普段めったに起きない現象が起きたりということがあります。

 そういった事に出くわしたとき、そういう減少があるということを全く知らないのか、あるいは少しだけでも知っているか。この辺で緊急事態への対処法というのも少しは変わってくるかと思います。知識は身を助けるんですよ。例え原因がわからなくても、こういう事があるんだ、ということだけでも覚えておいていざという時に役立てていただければなと思います。

おしまい!

MaEm

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