//○○○○って夏の季語なんだぜ

非日常
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ある夏のMaEmの美しい思い出のお話です

ワタシにも中学生だった頃がございました

大抵の場合において、男子中学生というのはバカないきものであります。これはもう古今東西、どこに行っても変わりようのない事実。男子中学生はアホです。

MaEmのクラスにマナちゃん(仮名)という女の子がいました。ざっとスペックを上げてみましょう

・レッドフレームのメガネ
・図書委員長(ちなみにMaEmは副委員長)
・部活は美術部
・好きな作家は有川浩
・乳がデカすぎず小さすぎず要するにMaEmの好みどストライク
・肩にギリギリかかるくらいのセミロング
・そんでもって理科の時間に同じ班で顕微鏡除くとそれがチラチラ見えたりする
(ちなみに私服の中学でした)

……と、ここまでが表のスペック。そいで裏のスペック

・真面目な図書委員長キャラと見せかけて運動強い
・というか物理的に強い。特技は空手
・同じ小学校だったやつ曰く「喧嘩した男子を2m吹っ飛ばして黒板に叩きつけた」らしい

書いてて思いました、漫画のキャラかよお前は。まあこんなスペックの女の子が居たらそりゃ好きになったったりもしますよね。しょうがないじゃん。

冴えないアホ中学生、一世一代の大舞台

そんなマナちゃんに対して、正直スペックと言ったら特筆するようなものがなんにもない中学生MaEmくん。おなじ図書委員だったから接点がないわけでもなかったんですが、ヘタレすぎてなんかこう、甘酸っぱい感じの展開になるようなこともなく中学生活は進んでいきましたとさ。

そんなMaEmでも、まあ3年間のなかに一回くらいはそういういい感じになるイベントが無いわけでもないわけで。忘れもしません、あれは三年生の冬の頃でございます。

一大イベント、教室にゴキブリ出没

自然豊かなド田舎の学校でしたので、まあ虫も出ます。あの虫は田舎じゃなくても出るけども、まあとりあえずその辺は置いておきましょう。

問題はそのGが出てきた場所。例のマナちゃんの机がありましてね、その目の前です。そしてMaEmはちょうどその横をたまたま通りがかった。もうね、バカな男子中学生は思うわけですよ。彼女の騎士ナイトになるしかねえ、ってね。

右手に握る矛は筆箱になぜか入っていたピンセット、左手に握る盾はティッシュペーパー三枚重ね(クラスの備品)。男子中学生とは矛盾に満ちた生き物、かかってきやがれ害虫め。俺のマナちゃんに一歩でも近づいてみろ、その体八つ裂きにしてくれようぞ。

……とはいっても、場所が場所。好きな女の子の机の前で本当にGを八つ裂きにするわけにもいかん。汚れてしまうではありませんか。ワタシとしては美しい彼女は机も含めて美しく咲き誇っていただきたい。

卓球部3年間補欠の動体視力をナメんな、たとえレギュラーになれなくても必死こいて夏も冬も玉追っかけてきたんでい。これを今生かさずにどこで活かすというのだ。惚れた女の子が怯えているんだぞ?彼女自慢の空手も奴には無力。というか女の子にそんな事させるわけには行かねえ、やるんだよMaEm!

……やってやりましたとも。逃がすことなく、かつ潰して汚すこともなく、ティッシュにガッツリと奴を捕獲し、窓の外に投げ捨てる。中学三年間、俺様こんなに輝いていたことなんてないね。後は愛しい彼女から感謝の言葉を聞ければもう他に何も要らない……

マナちゃんの第一声

「汚い早く手洗ってこい」

いや確かにG触ったら汚いかも知れないけどさぁ!
純情男子中学生に対してそれは傷つくぞ!

そんな美しくもほろ苦い思い出のお話でしたとさ。

奴は再び我が前に姿を表した

と、まあこんなことがかつてありましたとさ。なんでこんな事書いているのかといいますと、我が寮の部屋に奴が出てきたからなんですけどね。もちろんマナちゃんじゃなくてGのほうね。

よくよく考えたらここは男子寮、しかもかなりのボロ。たとえMaEm一人がきれいに部屋を片付けていたところで、出る時は出ます。どれくらいボロかというとどこからか侵入してきた蜈蚣やら草鞋虫やらが風呂場で溺れてるのをしょっちゅう見るくらいにはボロ。あ、ちなみにこれそれぞれムカデ、ワラジムシと読みます。テストには出ないと思いますけど覚えて帰ってください。ムカデは百足でも正解です。

と、寮のボロさに思いを馳せつつ、改めて状況を確認してみましょう。確認とは言ったものの、みなさんも御存知の通り奴は素早いことこの上ない。こちらがGだと認識した次の瞬間には、奴はベッドの下に潜り込んでその姿を消しておりました。さてどうしてくれようかあの害虫。

……あーあ、Gと一緒の部屋で今夜寝るの嫌だなぁ。同衾するならかわいい女の子が良いぜ。夏の季語なんだからこの時期に出てくるなよ、温暖化の影響ですかコノヤロー。とりあえず後でゴキジェットでも買ってくることにしましょう。

おしまい!

MaEm

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