あんまり業務内容お外に漏らすもんじゃないとは思うんですけども、ちょっと命に関わる話するんだぜ
TiG溶接って知ってるか?
ねぼしみたいな話です。嘘です。
溶接というのは、要するに金属同士をめっちゃくちゃ熱くして溶かし、それを接着剤代わりにしてくっつけてやろうという行為です。そんでもって、TIG溶接っていうのは溶接方法の一種。
たぶん最もスタンダードといいますか、溶接と言われて最初にイメージするやつあるかと思うんですが、あれはアーク溶接といいます。片手にお面持って、もう片手になんか火花の出る棒持ってやるやつね。
そんじゃあTIG溶接とはなんぞや?って話になってくるんですが。これはタングステンイナートガス溶接の略でして、要するに上のいらすとや画像の右手に持ってる棒がタングステンでできていると思ってください。
タングステンで出来た電極に、ものすごい電圧をかけると熱くなるから、そこに溶接棒を突っ込んで溶かし、接着剤の代わりにするってわけです。ハンダ付けなんかと実はほぼ変わらなかったり。
余談ですが、アーク溶接の場合は持ってる棒が電極になるわけなんですが、それと同時にはんだとしての役割も持っています。要するに、使ってるとどんどん溶接棒って溶けていく。なんとなく溶接経験したことのない人ってあの棒が使い捨てってイメージないんじゃないかと思いますが、結構な速度で消耗していきます。
タングステン使ってるっていうのはまあわかった、そんじゃあイナートガスの方は何だってことについてお話しましょう。
溶接するってことは、当然母材の表面はめっちゃ高温になります。すると、溶接が終わった後ってなんかこう焼け焦げたような、あんまりキレイな感じの見た目にはならないわけですよ。多少見た目が汚くたってちゃんとくっ付いていれば問題ないだろうって?やっぱ酸化しちゃうから強度的にも問題なのさ。
酸化というのは、つまり母材に酸素がくっついちゃうということ。さて、それじゃあどうしたものか?溶接する現場を真空状態にするとか?
溶接工の皆さんが死んでしまいます。
酸素以外のガスを大量に吹き付けて酸素を追い出すとかどうでしょう?うん、とても良い案だと思います。
というわけで、タングステン電極の横から不燃性で品質に対する影響の少ないガスを吹き付けるという方法が発明されました。これがイナートガス(あるいはシールドガス)です。ちなみに、アルゴンガスが基本的に使われます。化学の授業で水兵リーベ僕の船とかってやったでしょ?あの周期表の端っこの方に希ガスってあったと思うんですが、アレです。
さて、ここまでザックリまとめると
①TIG溶接ってもんがある
②TIG溶接やるにはアルゴンガスが必要
とりあえず今日はこの2点だけ覚えてってください。
やれって言われたから俺はやっただけだ、後は知らん
さて、MaEmのお仕事の話です。
MaEmがお仕事している会社で、TIG溶接機を取り扱っています。そんな溶接機をどうやって売り込んでいくかと言いますと、そういった現場作業用の機材を展示する展示会のようなものが全国各地で行われておりまして、そういう所でセールスをやっていくわけでございます。
展示会ってことは、来たお客さんに実演やってみせたりするわけです。ヘイヘイそこのお兄さん。ウチの商品買ってかない?こんな綺麗に溶接できるんだぜー?みたいな感じですね。まあ展示会行ったことないから知らんけど。多分こんな感じで営業してるってことはないと思うけどね。
まあ実際に溶接しているところを見てもらうってことは、当然上で書いたアルゴンガスも持っていかなきゃなりません。ガスを持っていくって言ったって、気体そのまんま持っていくことは出来ませんので、ボンベに入ったやつです。
ひょっとすると最近の子は都市ガスばっかでプロパンガスのボンベとか知らないかもしれませんが、ボンベの中に加圧して無理やりガスをねじ込んで持ち運びができるわけですよ。そういう物を持っていくわけです。
というわけで、MaEmとユカイな仲間たちはハイエースに機材やら展示台やらを積み込むというお仕事をいたしました。俺開発でこの会社入ったはずなのになんで営業の積み込みの手伝いしてるんだろうな。まあええか。
とりあえず奥からドンドン機材を詰め込んでいき、空いた隙間に細かい部品やらなにやらをねじ込んでいくという作業をしまして、先輩が「そんじゃあそのボンベ、横に突っ込んどいてー」と気楽な感じで言ってきます。
……うん、ちょっと待てや。
まあ一応、アルゴンガスってのは可燃性のガスではない。まあそりゃそうですね、可燃性ガスなんか溶接で使うのはあまりに危険、というより手の込んだ自殺にほかならん。そういった意味では、まあプロパンガスよりは安全なガスではあります。
とはいっても、高圧ガスですよ。そんな無造作にハイエースの荷台に突っ込んどいていいモンなんですか?まあワタシ危険物取り扱いとかの資格は持ってないからその辺りの詳しい法令とかはわかんないんですけども。よくトラックの荷台に「高圧ガス注意」とかって黒と黄色のステッカー貼ってあったりするじゃない。ああいう風にちゃんと表示して、しっかり固定して運搬するべきモンじゃないんですか?仮に途中で事故って漏れ出したら、周囲の人間窒息死しません?
まあ俺はやれって言われたから積んだだけで、別にどうなろうが知ったことじゃないんだけどさ……何とも人命軽視な会社だぜ。
厨ニ武装、TIGブレード
今日なんでこんな話書いてるかと言うと、MaEmが昔初めてTIG溶接というものを知ったときに考えたことをちょっと思い出しまして。
『タングステンで刀作って、そこに高電圧かけたら強いんじゃね?』
実際にこれで刀作って強いかどうかはわかりませんけども。そもそも密度が鉄の2.5倍くらいあるから重くて振れないでしょうし、高電圧かけて相手溶断すると言ったって振ってる本人も危ないだろうし、まあ実用性はないでしょうけどね。
つまり、この刀振るには人間以上の筋力と火傷しない身体が必要ってわけです。これが出来ればタングステンの剛性と重量でぶった斬れる刀身と、放電による熱量攻撃ができる強力でカッコいい厨ニ武器が完成すると。
そんな刀振れる奴って……まあ心当たりがないわけでもない。そしてその刀振れる奴が戦ってる相手ってのが「熱量攻撃、もしくは大質量を高速で当てて貫通させる攻撃に弱い」という設定だったり。
つまり、bluebloodの芒月なんだけどね!!!
そのうちこの設定使いたいなあ……
えっ、アイデアあるならさっさと書けって?ごもっともすぎてグウの音も出ねえよ。ごめんなさい今別の企画進めているんだ……一応更新停止中ってだけで終了じゃないからもう少し待っててください
MaEm
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