//池袋暴走運転事故と高齢者の事故を防ぐのにできること

自動車
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先日、2019年4月19日、東京・池袋で87歳の男性が運転する乗用車が暴走してゴミ収集車に衝突、8名が重軽傷を負い親子2名が亡くなるという痛ましい事件がありました。被害者の肩のご冥福をお祈りするとともに、どうすればこのような事故が防げるのかという事を、自動車関係の知識をある程度持つものとして考えてみたいと思います。

踏み間違えは意外とあり得ない話ではない

正直にお話しします、MaEmはかつて一度、プリウスを運転している時にコンビニの壁に突っ込みかけた経験があります。この時はすぐにDレンジに入っていることに気が付いて止まれたのですが、この時は運転している本人はRに入っていると思って操作していました。なぜこのような勘違いが起きたのか?

前にも何回か書いていますが、MaEmは普段の足は5速のMT車に乗っています。MT車のシフトパターンというのは5か6か、あるいはそれ以外でもだいたいこういう感じになっていると思います。

相も変わらずwindowsペイントです、大体わかれば良いじゃない

ちなみに6速MTでRに入れるときは車種にもよりますが、一度下に押し込んでからRに入れるなどの機構になっているので5速→6速で間違ってRに入れてしまうという事はまずないと思います(というか多分ギア比違いすぎて入らないんじゃないかな、巡航走行中に5→1もかなり難しい、というかほぼ不可能)

一方、今回事故を起こしたプリウスや、最近の車種に多いのがこのシフトパターン

プリウス系の車を運転したことのない人には少しわかりにくいかもしれませんが、まずデフォルトの状態では左側の・の部分にレバーがあります。この状態で右に倒すとN(ニュートラル)になり、そのまま手前に引くとD(ドライブ、前進)になり、奥に押すとR(リバース、後退)になります。右上にあるPはパーキング、駐車用なのですがこれはシフトレバーではなくボタンを押すタイプ。左下のBは見慣れない人も多いかもしれませんが、これはバックのBではなくブレーキ、あるいはバッテリーのBです。引くと回生ブレーキのほうに回転を回すことでバッテリーを充電しつつ、エンジンブレーキと同等の効果が得られます。

さて、MTのシフトパターンとプリウス系のシフト、運転しているうえで何が大きく違うかというとRの位置です。MTは「右下」にRがあるのに対してプリウスは「右上」にある。MaEmがコンビニに突っ込みかけたのは、右下がRだという普段の思い込みによる部分が大きいのではないかと考えています。まだまだMaEmは20代だからとっさに「あっこれ逆だ!」と反応して止まれましたが、認知能力・運動能力が落ちてくる高齢者だと反応できずに……って事は十分あると思います。

他にも、このシフトパターンは「パッと見で今どこに入っているのかがわからない」という欠点があります。どのレンジに入れても、手を離すと左中央の・の部分に戻ってしまうので、シフトレバーを見ただけでは今どれに入っているのか判断できない。一応スピードメーターのところには表示されますが、やっぱり戻ってしまうのは不親切ではないかという気はします。

このタイプもまあ、シフトレバーが小さくなって車内の居住性が上がるとか欠点だけでもないんですが、安全性を投げ捨ててまで要求する部分ではないだろうと思います。やはり上から一直線にP、R、N、D、Lになっている方がわかりやすいのではないかと。

今回の暴走事故とは直接関係ないかもしれませんが、プリウス系統のシフトレバーの話でした。ちなみにプリウスばっかり話題に上がりやすいですが、トヨタだけでなく他の各メーカーでもこのタイプのシフトレバーの車種が最近増えているようです。何かMaEmが知らないだけで設計上有利な部分があるんでしょうかね?

アクセルが戻らない?

このプリウスのドライバーは、警察の事情聴取に対して「アクセルが戻らなかった」という証言をしているそうです。本当に戻らなかったのか、あるいはとっさに出てきた言い訳なのかはわかりませんが、アクセルが戻らないというのは考えてみるとあり得ない話でもないです。

フロアマットを社外製のものに置き換えている場合や、しっかりとマットが固定されていなかった場合などに起きる話ですが、踏み込んだペダルがマットに引っかかり戻らなくなる、というケースは実際にあるそうです。もっとも、これはほとんどベタ踏みに近いような加速をしないと発生しないような条件で、今回の場合池袋という市街地では普通は考えにくいと思われます。(ドライバーの認知能力次第ではあり得ない話ではないかもしれませんが、それだったらフロアマット関係なくいずれ事故を起こしていたと思われます)

アクセルペダルが戻らないのではなく、逆にブレーキペダルが踏み込めない事例というのもあります。運転席の下に飲み終わったペットボトルなどを放置していた場合です。最近の車はペダルの下に傾斜が付いていて、こういうパターンは少ないそうですがペダルの下にペットボトルが入り込み、踏みしろをを阻害している……という状態です。これはこまめに車内清掃していれば簡単に防げる事故ですので、皆さんも車内で飲み物を飲んだらきちんとボトルは処分してください。

まあ今回の場合は単純にドライバーの筋肉機能の衰えという部分が大きいのではないか?とMaEmは推測しています。足を伸ばしてペダルを踏みこむのには筋力を使いますが(椅子に座ってペダルを踏むような動作をすればわかると思いますが、腿の前側の筋肉が動くと思います)、膝を曲げてペダルを離すのも今度は腿の裏側の筋肉を使います。普通なら「この程度で戻せないの?」と思うような運動量ですが、80代にもなるとそういった部分も衰えてくる、というのはあり得る話なのではないでしょうか。

結局、運転しないのが一番

身も蓋もない結論にはなってしまいますが、結局ある程度の年齢になったら運転しない、というのが一番の対策になってしまうのではないかと思います。そりゃあもちろん、運転しないと生活そのものが立ち行かないなどのケースがあるのは理解しますが、だからと言って自力でコントロールできないのに運転をしていいという理由になるとは思えません。理性と判断力が残っている間に免許返納し、行政に頼るほかないのではないでしょうか。

ましてや、池袋という都心在住なら自分で運転しなくても生活する手段はいくらでもあるでしょう。

MaEmの父はもう50歳を過ぎていますが、「最近運転中に遠くが見えなくなってきたからあまり速度は出さないようにしている。たぶん運転は70まで」と言っています。先が見えない状態で運転するというのは、認知・判断・行動のうちの認知部分が衰えてきているということです。加齢によって判断力と行動力も落ちていく中で高齢者が運転するというのは、この必要な3つの要素のうち何一つ満たしていないという事です。

長文書いた割にはありきたりな結論にしかなっていませんが、MaEmがここでそんな良いアイデア出せるくらいなら今回の事故は起こってませんよね。結局、地味でありきたりな対策が最も効果を発揮する、という事です。

MaEm

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