【小説レビュー】ノベルバトラー ライト -新時代小説ゲーム戦記- バトれ!目の前のキーボードを武器にして!

小説
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ネット小説レビュー企画、その6です。この企画で紹介してる作品はどれもこれもMaEmが本心から面白いと思った作品だけですが、今回もメタクソ面白いから期待してくれい。

ちなみに、アイキャッチ画像に使ってるのはMaEmが執筆に使ってるキーボードです。慣れると直行配列使いやすいよ。

……それより自分の作品書けって?アーキコエナイキコエナイ

そんじゃ早速行ってみましょう!今回ご紹介する作品はこちら!

作者:板野かも
タイトル:ノベルバトラー ライト -新時代小説ゲーム戦記- (カクヨム版)
2019年7月現在、第一部まで完結

作者様コメント

令和20年――
チューバーとして一攫千金を夢見ていた男子中学生、新 雷斗(あらた ライト)は、謎の美女の幽霊に取り憑かれてしまう。
幽霊の正体は、「平成の紫式部」と呼ばれた夭逝の美人作家、左京紫子(さきょう ゆかりこ)だった!
小説を書かせろとせがむ紫子に困惑する雷斗だったが、令和の才媛と称されるアイドル作家・春風レイナ(はるかぜ レイナ)と出会い、
新時代の小説戦闘ゲーム「NOVEL BATTLE」に挑む中で、次第に執筆の楽しさに目覚めていく――。

小説×ゲームが導く青春活劇!
Let’s write, NOVEL BATTLE!

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ヒカルの碁などでよくあるパターンではあるが……読ませてくる!

国語の成績が壊滅的な男子中学生に、平成の紫式部と呼ばれた天才作家の幽霊が取り憑くところから物語が始まる、っていうお話なのですが。まあこういう作品って正直多いっちゃ多いですよね、凡人主人公と人外の天才のコンビって。この作品に一番近い例だとヒカルの碁とか、魔人探偵能上ネウロ、若干違うパターンかもしれませんがニンジャスレイヤーなんかもこれに当てはまるでしょうか?

ですがそこはご安心ください。よく【作者以上のスペックを持ったキャラは書けない】って小説書く上では言われたりしますが、平成の紫式部なんて呼ばれるキャラが出てくるような作品ですよ?そりゃあ読み応えバッチリです。

初っ端から引き込んでくるので、まずはとりあえず6話までは読んでみてください。

ゲームシステムと作者の意地

例えば前述のヒカルの碁の場合は、テーマが囲碁なわけですから勝敗が明確に着くゲームです。一方、この作品でテーマにしているのは近未来で流行してるという設定のノベルバトル。小説の面白さで競うアーケードゲームで、勝敗の判定はAI判定になっています。そして、登場人物たちが作中で書く作品は全て作者の板野さんが実際に過去に書いた短編作品を使用しているという凝りっぷりです。(つまり、長編小説としても短編集としても楽しめる作品になってます)

設定上はAI判定で勝敗が決まるというゲームシステムですが、これはゲームじゃなくて小説ですので勝敗は作者が自分で決めているわけです。

さて、ここで皆さんに質問。自分で小説を何作品化書きました。頭ひねってこいつは面白いだろう!どうだお前ら読んでみやがれ!と世に送り出した作品たちです。その作品に、自分で順位ってつけられますか?

やっぱり皆さん、自分で書いた作品って可愛いと思うんですよ。「この作品は世界で一番面白い!」ぐらいには思ってるはずだと思うんですよ。そんな我が子のような作品に優劣付けるというのは、出来ないという人が多いと思います。(というか、私は出来ません)

それでもこういう作品を書けるというのは、「どんな手を使っても面白い作品を書いてやろう!」という板野さんの執念(幽霊が主人公だから怨念かな)のようなものなんじゃないかと、私は思いました。

これは天という麻雀漫画(カイジの作者と同じ人です)の登場人物のセリフなのですが、夜中3時に板前を起こしてふぐ刺し作らせた後に一口だけ食べ「この世で一番美味い物を知っているか?それは人の心さ」と、そんなセリフを言うシーンがあります。この作品も、そういった裏側に宿る心を食べるような、そんな読み方をするとより一層美味しく読めるのではないでしょうか?

セリフ回しが一々お洒落でカッコイイ

会話で読者を惹きつける。小説書く人間ならあこがれるワードですよね。近年のラノベで言うと西尾維新さんが群を抜いて強いですけれども。

作品書く上ではこう、決め台詞になるようなワードがあるとキャラ付け、作品自体のイメージ、色々とメリットがあります。かといって、自分で「ここが名言です!」っていうのは何だか言いづらい。

というわけで、この作品内でMaEmが特に気に入ったセリフ回しをちょっと引用。ノベルバトルのジャンル指定で、相手プレイヤーの得意とするSFを指定するときのセリフです。

「ジャンルはSFにしておいて」
「大丈夫なのか?相手の得意分野なのに」
「大丈夫。私は小説が得意なんだよ」

いやこれ、カッコよすぎませんか?相手の土俵で戦う事を心配していたら、そこを含めて全部私の土俵だという切り返し。初見でもうバチっとMaEmの脳味噌にぶちかましてきましたよ。

他にもこういうお洒落な言い回しが結構あるので、そういう所もこの作品を楽しむうえで味わってみてはいかがでしょうか。

強いて言うなら

MaEmは一人でもよくゲーセン遊びに行き、音ゲーやガンダム動物園にお金落としている人間です。腕前は大したことないけど。

近年のゲーセンっていうのはとにかく厳しい状況で、あっちもこっちも閉店ラッシュです。まさにゲーセン冬の時代。消費税だけバンバン上がるのに1クレジット100円で回していたらそりゃ儲かりませんよね。世知辛いのじゃ。

この作品の描写見る限り、1クレ100円ではなさそうですが、一試合20分かかるゲームでテーマが小説という新規参入しにくいということ考えると、これを実際にゲーセンで稼働させるのは相当インカム的に厳しそうだなという印象です。(聞きなれないワードかもしれませんが、ゲーセンでインカムというのはどれくらいお金が投入されるかという事です)

時間当たりの収益率というと、「クレイジータクシー」というゲームが昔大流行しまして。タクシーでお客さんを拾って目的地に届けるゲームなのですが、一人届けるごとに持ち時間が少しずつプラスされていくシステムになっています。攻略法が確立されてくると、100円で延々とプレイできてしまうので収益率がガタ落ちし、撤去されるという悲しい時代がありました。今稼働しているのを見られた方、ラッキーです。

とはいっても、このゲーセンのインカムという部分に関しては小説の本筋には全く関係ありませんのでね。内容自体は、本当に面白いのでぜひご一読いただければと思います。

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